在大阪インドネシア総領事館とユビケンが連携。京都のオーガニックEXPOで、廃材から生まれたバッグやジュエリーなどインドネシア8社の日本初出展を支援した2日間の現地レポート。
廃材のガラスが、ジュエリーになっていた。
捨てられるはずだった牛乳パックや端切れが、バッグになっていた。
道端に咲く花や草木が、アクセサリーやファッションになっていた。
インドネシアの自然が、そのまま香りになっていた。
物が溢れ、トレンドが次々と生まれては消えていく今の時代に、ここにあるものはどれも真逆の存在感を放っていました。「誰かがゼロから、手で作り出したもの」だということが、手に取った瞬間に伝わってくるのです。
今回このご縁をいただけたのは、貿易塾11期生の方からのご相談がきっかけでした。大阪・関西万博2025を経て、特に関西を中心に日本でのエコ・サステナビリティ・オーガニックへの関心がさらに高まっていくのではないか・・・そう考えたインドネシア領事館が、「インドネシアのサステナブル商品が日本市場に参入できる可能性について、大竹先生のご意見を伺いたい」と相談してくださったことが始まりでした。
人のつながりが、仕事を生む。そのことを改めて感じさせてもらった瞬間でもありました。
京都から世界へ、オーガニックの輪を広げる場所

2026年6月12日(金)・13日(土)、京都・岡崎の「京都市勧業館みやこめっせ 第2展示場」にて、「第3回オーガニックライフスタイルEXPO West in 京都2026」が開催されました。テーマは「Shift the Future with Organic」。
もともとこのイベントは、2016年に東京でスタートした「オーガニックライフスタイルEXPO」の関西版。「国内のオーガニックを基本としたライフスタイルビジネスの健全な普及発展」を目的に、オーガニック・ロハス・サステナブル・エシカル・フェアトレードなど、さまざまなコンセプトを持つ企業・団体・生産者が一堂に集まります。
2日間を通じて、業界関係者から一般のお客様まで、幅広い方々が直接商品を手に取ることができる、とても温かみのある場でした。そして今回のインドネシアブース(小間番号:K-38)には、特別な背景がありました。
202社の中から、選び抜かれた8社のすごさ

今回ユビケンは、インドネシア領事館とのご縁をいただき、インドネシアから出展される事業者さんのサポートを担当しました。しかしそもそも、今回の8社がブースに立つまでには、実は4か月にわたる丁寧な準備がありました。
大竹先生へのご相談から始まり、選考基準の検討、応募企業の確認、面接、最終選考、出展準備。
それぞれの段階で、大竹先生が継続的にアドバイスを届け続けました。サステナブル商品・アップサイクル商品における日本市場の可能性、どのような商品カテゴリーにチャンスがあるのか。そうした示唆を積み重ねながら、この日を迎えたのです。
選考の流れは以下のとおりです。
- 当初の応募企業数:202社
- 書類・応募条件を満たした企業:64社
- 面接選考に進んだ企業:12社
- 最終的に選ばれた企業:8社
202社の中から書類・面接を経てたどり着いた、8社。アップサイクルアクセサリー、サステナブルファッション、アップサイクル/リサイクルグッズ、オーガニックウェルネス&マインドフルリビングという4分野にわたるブランドたちが、この日のブースに集まりました。
どのブランドにも、ちゃんとストーリーがある
Saraswati Papers ― バリ島の紙が、物語になる

1995年から学校や家庭の紙を回収し、化学薬品を使わず一枚一枚手作業で仕上げる再生紙ブランド。ジャーナル・フォトフレーム・カードなどを展開しています。Instagram:@saraswatipapers
Six Scents ― インドネシアの自然を、香りに閉じ込めて

地域の原料と廃棄物をアップサイクルしながら香りを届けるナチュラルフレグランスブランド。ソイキャンドル・アロマオイル・ルームスプレーなどを展開しています。Instagram:@sixscents.id
POPSIKLUS ― 捨てられるはずだったものが、バッグになった

牛乳パックや小麦袋という「ゴミ」を職人の手仕事で個性あるバッグへ変身させるアップサイクルブランド。一点ごとに異なるストーリーを持っています。Instagram:@popsiklus
WN White Noise ― 廃棄ナイロンが、機能美あるバッグに

日本認証リサイクルナイロンを使ったバッグブランド。廃棄物に新たな価値を与えるデザインと機能性を両立し、日本のクラウドファンディング「Makuake」での展開実績もあります。Instagram:@wnwhitenoise
Komang Tri Jewelry ― 廃棄ガラスが、バリの美しさをまとう

廃棄ガラスボトルをアップサイクルし、インドネシア文化の美しさと現代デザインを融合させたサステナブルジュエリー。職人の手仕事を大切にしたブランドです。Instagram:@komangtri.jewelry
Di Kala Hujan ― 雨の日に咲く花を、永遠に

「雨の時間」を意味するブランド名のとおり、本物の花をレジンで丁寧に保存したボタニカルジュエリー。記憶・自然・時間を宿す作品を生み出しています。Instagram:@dikalahujan.jewel
Batik Wiliwang ― 山の草木が、一枚の布に宿る

ラウ山の麓で生まれたエコプリントブランド。葉や花・茎など植物の自然な色と形を布に写し、一枚ごとに異なる表情を持つ作品を制作しています。Instagram:@batik_wiliwang
Prajan Eco ― 葉を叩いて生まれる、世界にひとつの模様

葉を布に丁寧に叩き込む「たたき染め」で世界にひとつだけの模様を生み出すスローファッションブランド。自然と伝統の手仕事を、長く愛用できる一着へ。Instagram:@prajaneco
どのブランドも、たったひとつの思いで動いていました。「不要とされたものに、もう一度命を吹き込む」その思いが、すべての商品に宿っていたのです。
貿易家だからこそ、届けられる言葉がある
ユビケンチームは今回、ブース装飾のサポートにとどまらず、積極的に「つなぐ」役割を担いました。
そして嬉しいことに、在大阪インドネシア共和国総領事・ジョン・チャヤント・ブスタミ総領事が、直接インドネシアブースにお越しくださいました。開会式ではテープカットも行われ、会場全体に凛とした温かさが広がりました。インドネシアと日本の架け橋になりたいという思いが、ひとつの形になった瞬間でもありました。

展示ブース装飾のサポート

インドネシアの作り手たちの世界観が来場者に伝わるよう、ブースの装飾をサポートしました。商品そのものの魅力はもちろん、「どう見せるか」「どう感じてもらうか」そこまで含めてサポートするのが、ユビケンの役割です。
大竹先生によるセミナーの実施

大竹先生によるセミナーでは、日本市場で販売する上での注意点や、日本人が好む販売戦略・効果的なアプローチについて、実践的な視点からお伝えしました。


日本市場を目指すインドネシアの事業者さんたちが、現地ならではのリアルな情報を直接受け取れる、とても貴重な時間となりました。
貿易家たちが、ものづくりに触れて動いた
今回の展示会には、ユビケンの多くの貿易家たちが集まりました。
インドネシアの作り手たちのブースをひとつひとつ巡りながら、0から生まれるものづくりに直接触れた貿易家たちは、思い思いの言葉で感動を分かち合っていました。
また、実際に貿易に携わる貿易家たちが、インドネシアの事業者さんのプレゼンに対して率直な意見をぶつけました。


「この商品の日本での価格設定、どう思いますか?」
「ストーリーの伝え方、もっとこうしたら刺さるかもしれない」
「パッケージをこう変えると、日本のお客さんに響くと思う」
そんなリアルな声が、その場で通訳を通じて事業者さんたちに届けられました。


なかには実際に商品を購入した貿易家もいました。
自分が「いい」と感じたものを、自分のお金で買う。それはバイヤーとして最上の共感の形だと思います。

貿易家として正直な気持ちをお伝えすること。それが、ユビケンの貿易家にしかできない役割でした。
世界と日本がつながる場所が、まさにここで繰り広げられていました。インドネシアの作り手と、日本の貿易家が、言葉を越えて笑い合い、うなずき合っていたあの光景は、きっとずっと忘れられないでしょう。
終始、笑顔が溢れる場所

わたしたちが何より胸を打たれたのは、ブースに立つ事業者さんたちの「顔」でした。
202社の中から書類・面接を経て選ばれた誇りがあるのでしょうか。それとも、自分たちが生み出したものへの揺るぎない自信でしょうか。彼ら・彼女たちは、笑顔で、そして胸を張って、自分たちの作品の前に立っていました。


廃材から生まれた一つのバッグ、庭に咲いていた花から生まれた一つのネックレス。そこには数字や効率では測れない、人の手と心が込められています。日本のお客さんが手に取り、「これ、どうやって作ったの?」と目を輝かせる瞬間。


その瞬間をそばで見られたことが何より嬉しい時間でした。

現場の空気は、終始温かいものでした。
人の手で作り出す力が、あの場所にはあふれていたからだと思います。
「想いごと、届ける」それが、大竹先生が作った世界

私たちはよく、貿易家の仕事を「物を動かすこと」と表現します。でも、この2日間を通して改めて感じたのは、それだけじゃないということです。
物には必ず、生み出した人がいる。
廃材を前にして「これで何か作れないか」と考えた人がいる。
花を摘んで「これをずっと残したい」と思った人がいる。
山の草木を見て「この色を布に写したい」と動き出した人がいる。

貿易家の仕事は、その「思い」ごと受け取って、日本に届けることだと思っています。

これからもただ物を輸入して売るだけではなく、人と人がつながっていく輪を大切に、少しずつ広げていきたいと思っています。
大竹先生へのご相談から始まり、選考基準の検討、面接、最終選考、出展準備まで——約4か月間、一つひとつの段階を丁寧に積み重ねて実現したのが、今回のインドネシアブースでした。そしてそれは、大竹先生が長い年月をかけて丁寧に作り上げてきた世界そのものです。貿易を通じて、国境を越えて人がつながっていく。
その輪の中に私たちがいることを、誇りに思っています。
これからも、その輪をもっと広く、もっと温かくしていきたい。そんな思いを胸に、歩み続けます。



