【vol.4】日本の貿易を数字で読む

今回は、現在(2022年8月)の日本における貿易関連の客観的な数字データをチェックしたいと思います。

ヤナガワ

どんなビジネスを行うにも、特に輸入ビジネスを行う上では、
知っておくべき日本の現状を表す大事な情報だと思います。
共に見てまいりましょう!

貿易赤字7月最大の1兆4367億円

財務省が8月17日に発表しました7月の貿易統計速報によると、
輸出額から輸入額を差し引いた日本の貿易収支は1兆4367億円の赤字だったとのことです。

赤字は12カ月連続となり、赤字額は7月としては最大になりました。

貿易赤字の要因

赤字の要因ははっきりしてまして、エネルギー価格の高騰と円安による輸入額の急増にあります。
輸入額は、前年同月比47.2%増の10兆1895億円となり、5カ月連続で過去最大を更新しました。

7月の1カ月だけで、鉱物性燃料の輸入額は3兆円を超え、1年前の2.3倍に。
7月の貿易赤字額は1.4兆円ですが、鉱物性燃料の輸入増加額は1.7兆円に達しています。

赤字額は比較可能な1979年以降で7番目に大きい額となりまして、
12カ月連続の赤字は、2015年2月までの32カ月に次ぐ過去2番目の長さとなる。

輸出は?

輸出額は19.0%増の8兆7528億円で、2カ月連続で過去最大を更新しました。

米国向けを中心に自動車が13.7%伸びたほか、鉱物性燃料が2.4倍、半導体等製造装置が4割弱増えております。

地域別で見てみると

対米国:
黒字が22.4%減の5127億円と、2カ月ぶりに減りました。
車などの輸出が伸び輸出額が過去最高となった一方で、エネルギー関連の輸入増で輸入額も最高となったことが影響したとのことです。

対アジアと対中国
輸出入額もそれぞれ過去最高を更新しました。
対中国の貿易収支は4240億円の赤字で、16カ月連続の赤字でした。
赤字幅は前年同月から7倍に拡大しまして、音響・映像機器などの輸出が伸びたが、パソコンや衣類などの輸入が膨らんだことが原因となります。

対ロシア:
貿易収支は1333億円の赤字で、赤字額は約2.5倍に膨らみました。
ウクライナ侵攻による物流網の混乱や日本政府の輸出禁止措置により、輸出額は407億円と49.5%減りました。
輸入額は31%増の1740億円で、ロシアへの依存度が高いLNGや石炭の輸入量は3~4割減少したが、価格高騰により金額ベースではLNGは3割増、石炭は2.3倍に増えたとのことです。
主要7カ国(G7)が輸入禁止で合意したことを受けて民間企業は輸入を止めているが、通関手続きの関係で6月以前に到着したものが計上されたもようだ。


今回は、現状の日本の貿易数字をデータで確認しました。

国際情勢に大きく影響されるのが、この貿易数字です。

ヤナガワ

皆さんも日々の国際情勢などをチェックして、大枠でのビジネスの流れを掴んでおきましょう。
次回は、「個人」として輸入ビジネスにおける円安などの影響についてコラムを書きますね!

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ヤナガワ

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